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田山日本語学校と孤児院訪問(2017年7月7日、10日)

田山日本語学校は2007年に田山先生が創設された学校で、生徒数は現在371名教師15名、創設から第8期生まで延べ866名の卒業生を出している、プノンペンの日本語学校の草分け的な学校です。

今回初めての訪問でしたが、創設者の一人であり第1期から教師として携わってこられた柳内さんという方に案内していただきました。

何と言っても素晴らしいのは、この学校の生徒の学費が全て無料で賄われていること、そして訪問してまず驚いたのは、学生たちがとても礼儀正しいことでした。

古い館を改造して作られたと思われる美しい佇まいの校門をくぐるとまず目に飛び込んできたのが、寸分の乱れもなくビシッと揃えてある駐車場のバイク、下駄箱のサンダル、チリ一つなく清潔に整えられた校舎でした。

今の日本でも考えられないくらい、隅々まで行き届いた手入れと清潔感。

ここがカンボジアであることを一瞬忘れてしまうくらいの感動でした。

そして学生たちが一人一人、私たちに向かってとても丁寧に大きな声で「おはようございます!」「お疲れさまです!」と挨拶をしてくれること、これには本当に驚きました。

現在の校長先生はチャムロン先生という方で、この学校の第1期卒業生、

当時彼はお坊さんだったそうです。

学校での教育はまず、内気なカンボジアの学生たちに大きな声で挨拶をすることから始まり、なぜ挨拶をするのか、その言葉の意味はどういうことなのかを徹底的に教え込んだのだそうです。

言ってみれば日本語を教えると同時に、日本の考え方や文化をそのまま教えて行くという趣旨だったのでしょうが、のんびりしたカンボジア人の気質には合わず、またあまりのスパルタ教育に恐れをなして、学校を辞めていった学生も相当数いるそうです。

でも時には泣きながら挨拶や礼儀を叩き込まれた学生たちは、今ではそれがすっかり身につき、皆生き生きとした表情で一生懸命学んでいました。

自分の言いたいことや気持ちを臆せず言葉にする積極性も身につき、本当にどこに行っても恥ずかしくない、礼儀と教養を兼ね備えた立派な人物に成長しているようでした。

ここまで生徒や学校を育て上げるには、先生方や運営側も並大抵の苦労ではなかったと、容易に想像され、これを推進されたチャムロン校長先生や柳井さんに本当に頭が下がる思いでした。

そうして3年の学習を終えた卒業生の受け皿として、柳井さんはフリーペーパーや人材派遣の会社を立ち上げ、また別に孤児院支援のNGOも運営されていたりと、まさにカンボジアのために尽力されているようでした。

次に案内されたプノンペン市内の孤児院は、民間の方が自主的に身寄りのない子供や貧しい子供を受け入れ、共同生活を送っているところで、子供の数は20名ほど、政府はもちろんどこからも支援の手が届いておらず、ほぼ孤立無援の状態で運営しているようでした。

唯一の収入源は子供達に伝統舞踊を教えてくれる人がいて、ナイトバザールの近くやイベントなどで踊りを披露し、そこでお金を得ているとのこと。

代表の方は大道芸人をされていたそうですが、彼も年を取り肝臓癌を患っているとのことで、もうその家つまり孤児院を売ってしまわねばならないところまで追い込まれている、とのこと。

案内してくれた柳井さん自身も、そこを訪ねるのは初めてのことだとのことで、事情を聴きすぐにでも必要な支援ができるよう、手配してくれることになりました。

このNGOでも田山学校の卒業生が活躍しているとのことで、カンボジアの若者が貧しい子供のために、このような素晴らしい活動をしているのを目の当たりにして、本当に心強く感動的な出来事でした。

後日再び訪れた田山学校ではまたもや大歓迎を受け、私たちは2クラスの授業に参加させてもらい、日本のことをクイズ形式で皆さんに質問したり、生徒からの質問に答えるなどして交流しました。

皆さんさすがに日本のことに興味津々で、色々な質問が後を絶たず、時間を延長してお話が続き、とても楽しい会になりました。

今後も仏教絵本や様々なことを通して、この田山学校の皆さんとは継続的に交流していきたいと思います。

田山学校の皆さん、そして案内してくださった柳内さん、ヘインさん、本当にありがとうございました。

このご縁に心から感謝します!

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