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IFL王立プノンペン大学日本語学科講演・交流授業 (2017.11.27)

今年で3度目となる IFL 日本語学科クラスでの交流授業、 昨年同様約30名の生徒が参加し、うち7~8名はお坊さんでした。

今回は学生を5~6人ずつのグループに別け、グループディスカッションをしてそれぞれのグループから発表してもらう形式をとり、ただ話を聞くだけでなく彼らの考えや意見を積極的に引き出そう、とい う狙いがありました。 CEP の日名氏がファシリテーターとなり、基本的に仏教絵本を題材とした幾つかのテーマから質問を 出しました。それに対する各人の考えを述べてもらう、またはグループ内で相談し意見をまとめて発表してもらうという感じで、答えに正解・不正解はないのだということを説明しながら進めていきました。

はじめは学生の緊張を緩めて発言しやすい雰囲気を作ろうと、皆が興味を持っている日本の話題から入り、日本とカンボジアの違いや日本のどんなところが良いと思うか、などの質問から始めましたが、皆さんやはり日本への憧れが強いようでした。

2番目の「日常で何かいやな思いをした時、いやなことをされたことがあるか?」という質問では、グ ループ内で意見をまとめてもらいましたが、たぶん通訳の仕方で少し違った意味に取られたようで、人間関係でのいやなことというより、今の社会でいやだ、よくないと思うことに関する答えが多く出てき ました。

まず第1はゴミの問題、第2が犯罪や賄賂の問題、そして交通、食品の衛生などの問題が挙げられ、中でも犯罪や賄賂、交通渋滞の問題は皆が共通して問題意識を持っているようでした。 このような意見が出てきたので、ではそれらの問題を解決するにはどうしたら良いと思いますか?という質問を投げ、学生がどれだけ問題に主体的に関わろうという意識があるか見てみることにしました。

ひとしきりグループ内で相談した後に出てきた答えは、ゴミに関しては「きちんと分別する」「再利用 法などゴミの事をもっと学ぶ」「プラスチックの代わりに布など他のものを使う」など。犯罪や賄賂、 交通に関しては「親の教育や国の指導を強化する」「ルール作りをきちんとする」「電車やバスなど公共 の交通機関を作ってもらう」など、やや他人頼みな回答が多かったようでした。 また経済面の発展が重要なので、そのためには教育が必要であり、貧しい人も学べるようにする、外国 へ行って学んだことを持ち帰り国の発展のために役立てる、などの意見も出ました。

始めのうちグループディスカッションや自分の意見を述べることに戸惑う様子で、あまり元気がなかった生徒も、状況に慣れると徐々にいろいろな意見が出てきたようで、最後の方には発表も積極的に、堂々とできるようになってきました。

最後に締めくくりとして、代表の斎藤上人がスライドの資料を見せながら説明。 1. 人間の心が陥りやすい3つの根本的な問題として1貪り2怒り3愚かというものがあること。

2. 恨んだり傷つけてしまう自分の心を超える方法として、まず誰にとっても自分が一番大切だと

いうことを理解すること、すると自ずと相手の立場や心情も理解できるようになる。 3. すべてのものは互いによりあって存在するものであり、私たちは地球、大地、海、空、自然、

植物、動物、人間同士との関わりの中で生きている→生かされている。 4. 慈悲や利他の心は頭で理解するものではなく心から湧き上がってくるものであり、その道を教

えるのが仏教である。

余談ですが、今回はお坊さんの参加者が多く、普段あまり聞くことがない彼らの日常の苦労や悩みなどを、クラスの皆で共有する機会が持てたことも良かったと思います。 学科長のロイレスミー先生からは、このお坊さんたちが日本へ行けるよう協力してほしい、または学費 を支援する基金などあれば紹介してほしいとの要望が出され、検討事項としてお預かりしました。

今後もこのような交流を続け、さらに幅広いカンボジアと日本の学生交流へと展開していければと思っ ています。

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