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農業支援プロジェクト2019 in バッタンバン・コンポンチュナン(9月24〜25日)

今回のCEP農業支援プロジェクトは、精米機を届けていなかった残り1ヶ所のタグネン村へ の精米機設置と、

米銀行全体ミーティングの開催です。 9 月 24 日の朝バッタンバンの街からタグネン村へ向けて出発。 数日前まで大雨が降り続き、道も水で溢れたと聞いていたので、道路の状態が心配でしたが、 思いがけず好天に恵まれ、スムーズに行くことができました。

タグネン村は米銀行の参加者も多く規模が大きいので、これまで各村に導入された精米機よ り大きく精巧な作りのものを、パートナーのキエさんに準備してもらいました。 新しい精米機はリーダーの Wan Won さんの家に隣接した納戸を拡張して設置する予定とのこと、すでに拡張用の柱や屋根などの資材も用意してくれていました。

タグネン村ではここ 2 年ほど続けて米の収穫量が思わしくなく、昨年は例年の 50%ほどだったそうです。今年も 8 月までほとんど雨が降らず、苗の生育が遅いようで、米の出来が心配 とのことでしたが、何れにしても精米機は役立つので、メンバーで共有して活用していくと言っていました。 設置にあたっては、今回の精米機は構造が複雑なので、専門の業者を呼んでやってもらうとのこと、その手配はキエさんが引き受けることになりました。

翌 9 月 25 日の朝バッタンバンのメンバーとともに、コンポンチュナン州へ向けて出発、途 中でコンポンスプーのメンバーと合流し、スレプレイ村での全体ミーティングに臨みました。 参加メンバーはバッタンバン州タグネン村から3名、プレイプリエル村から2名、コンポン チュナン州スレプレイ村3名、コンポンスプー州トロッペァンウェイン村2名、スノール村 1名、キエさんとCEPメンバー2名の計 14 名で、2 年ぶりに米銀行の代表者が顔を合わせ活発な意見が交わされました。

1) 各村の精米機の状態について

精米機の稼働状況や整備、問題点について、各村から報告と意見が出されました。 ほとんど問題なく稼働している村と、エンジンの稼働が弱い、あるいはコネクションの問題があるのではないかという例など、様々な症例が出され、それに対する解決策が協議されました。 結論として、スレプレイ村の精米機はエンジンを交換してみること、トロッペァンウェイン村については電源を通常の電気からガソリンの発電機に変えてみること、などいくつかの改善策をやってみることになりました。

2) スレプレイ村のマイクロセービング方式の共済システムについて

昨年同村で行われている、米銀行の利子分を原資とした共済システムの話を聞き、ぜひ他の村にも共有してもらいたいと思い、スレプレイ村のメンバーにそれを始めたきっかけと、 しくみやマネジメントの方法などをお話してもらいました。 きっかけは米銀行の利子分を米でなく現金で返すメンバーが出てきたことと、以前仏陀バ ンクの原資として残っていた 1500 ドルほどのお金を原資として始めたそうで、メンバー が病気やケガ、家族の冠婚葬祭などで急にお金が必要になったとき、2%の低金利で貸し出すというもの。

返済は半年から 1 年程度の期間で個別に話し合って決めるとのこと、今まで返済されなかった例はないそうです。 この話を聞いて、他の村の代表も非常に興味を持ち、自分の村でもやってみたいという意見が多数出ました。 ただタグネン村とスノール村は、スレプレイ村のように現金でやり取りする場合があるよ うですが、他の村は米だけでやっているとのこと、現金でなくても米をお金に換算して、必要に応じて貸し出すところもあるそうで、お金とお米の違いだけだとのこと。

何れにしても、この仕組みを作り、持続していくためには運営がしっかりしていなければ ならないということで、どのようにしたらきちんとした形ができるかが話し合われました。 結果、まずはタグネン村がパイロット的に始めてみるということになり、専用の口座を作 ることになりました。口座開設の手続きなどはキエさんがするとのこと。 カンボジアは金利が 6%と高いため、少額でも銀行に預けておけばお金が増えることにな るので、これは期待できるのではないか、あとは村人の中から役員を選び、きちんと管理 できれば良いと思いました。

3) 野菜栽培について

これまで何度か野菜の種を渡し、家庭菜園程度で良いからやってほしいとお願いしてきま したが、スレプレイ村以外はあまり軌道に乗っていない様子、そこでキエさんが改めて野 菜栽培の意義と目的を説明しました。

①安全な食物を得ることができる。②市場に行って野菜を買う必要がなくなり、出費を抑え られる。③収穫の喜びを知れば、モチベーションも上がる。 さらに土壌の質が悪い、水がないなどの条件は工夫すれば変えることができる。お金をか けなくても牛糞や籾がら、灰、貝殻などを土に混ぜ込むことによって、土質を改善するこ とができるし、水も大きな水がめを用意し、雨水などを貯めておくようにすれば、その水 だけでもある程度野菜を育てることができる。 小さなスペースでも、畝ごとに空芯菜を植えたり隣の畝にはまた別の作物を植えたりなど すれば、年間を通じて栽培することができる。などの話をすると、皆がぜんやる気が出て きたようで、自分の村でも作物を育ててみると言っていました。

このようにして、少し駆け足でしたがとても活発な会議を終えたのち、皆で昼食をとり、その後スレプレイ村の畑と養鴨場を見学させてもらいました。 驚いたことに、いつの間にか家の裏手にはイモや空芯菜、きゅうりなどの畑が広がっており、 おまけにカモを飼育する大きな圃場ができていました。ここでは約 2500 羽のカモを養育しており、ソーラーパネルを設置した大きな水槽まで作ってあるのにはびっくりしました。

1 日 1500~2000 個の卵が取れ、それを市場で売ると10g=1$で売れるそうで、1000 個売ったら 100$もの売上になるとのこと。素晴らしいことです! 一緒に見学した他の村のメンバーにも、頑張ればこのくらいのことはできるのだ、という良い刺激になったのではないかと思います。 本当に良いものを見せてもらったと、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

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