カンボジア愛のセンター訪問
プノンペン近郊のスラム街の近いところにある私設の学校で、 生徒数は 5~6歳から 13~14 歳くらいまで総数 150 名ほどとのこと。 最初少し授業を見学させてもらい、その時間の間に各自名前などを記入し、 自動的に授業参加料$5~と任意で寄付金額を納める仕組みになっていました。
子供たちはとても礼儀正しくまた人なつこく、 訪問されることにすっかり慣れている様子でした。
9:30~自己紹介から始め、授業に参加させていただきました。 参加生徒は 40 名ほどで、 日本語が少し話せるカンボジア人の先生に通訳として入ってもらいました。 まず皆さんに仏教絵本を配り、それを見てもらいながら内容を説明、 ページごとに順番に読んでもらい、所々で質問をしていきました。 皆さん元気よく手を挙げて答えてくれました。 特に家の手伝いは、皆よくしているとのこと。
ひととおり絵本の説明が終わったところで、すでに残り時間が少なくなってしまったので、 次に「くものいと」の紙芝居を英語とクメール語の訳で上映しました。 皆食い入るように観てくれましたが、終わった後の、 「もしあなたがカンダタ(主人公)だったらどうしますか?」との質問には、 なぜか皆さん分からない、との答え、少し難しかったのかもしれません。
センター現地責任者・佐々木さんのお話 10 年ほど前にこのセンターを始めた頃は、学校に行っていない子供が多かったが、 今はだいぶ改善されほとんどの子供は公立の学校に通っている。 午前中ここで授業を受けた子は家に帰って昼食を食べた後、午後から学校に行く。 センターは補助的な授業として、英語やクメール語を教えたり、 課外授業が受けられない子供に無料で授業を行っている。 一般的に今のカンボジアの学校の先生の給料はとても安く($150/月)、 それだけでは生活していけないので、先生が学校での授業の他に塾のようなことをして収入を 得ている。 そこで学校の授業ではやらない部分を教えたりするので、 その塾に行くお金がない子供は勉強が遅れがちになる、という問題が出ている。
仏教絵本について、普通の学校でも道徳の授業はあり、 書店でも子供向けの仏教を題材とした絵本などもたくさん出されているが、 子供たちが絵本を読むという習慣がなく、親も読ませようとしない。 そのため子供たちは本を読んで思考したり、考えたことを表すということに慣れていない、 また絵なども描くことがないので発想力がない、ということがあると思う。 愛センターでは、図書室を作ったり終え各道具を揃えたりして、 そのような部分を補えるようにしている、とのこと。
センターの運営は、来訪者や様々な個人からの寄付を募ったり、 助成金を申請したりすることで賄っているが、 場所代や先生の給料などを払うのが精一杯の状況で、経営は苦しい。 昨年から日本の麺作りの技術を導入し、学校に隣接した建物と製麺機を設置、 麺を作ってプノンペン市内のレストランなどに麺を卸すことを始めた。 まだ麺作りも試行錯誤の状況だが、 徐々に販路を拡げて学校の運営費の足しにできるようにしたい、とのこと。 人数分の絵本と鉛筆、また共同で使えるクレヨンや鉛筆削り、落書き帳、サッカーボールなど をプレゼントし、参加費と寄付として$50を差し上げお別れしました。