農業支援プロジェクトinシェムリアップ&バッタンバン (2017.11)
カンボジアの米銀行プロジェクト 2017 今年は各村から代表2名が参加し全体集会を行いました。
まずはシェムリアップに集合し、ハーブや野菜を栽培している農場の視察をしました。
この村では家の裏庭などちょっとしたスペースを利用し無農薬で野菜を栽培しており、稲作のかた わらするにはちょうど良い規模で、良い副収入になっているようでした。
少しの水でも栽培できるよう、畑を底上げしていたりなど工夫されており、皆さん熱心に説明を聞い ていました。
村を案内してくれたチラーさんは、大学の仲間と一緒にこの村で野菜作りを指導し、また旅行社とタイアップして、観光客に村で栽培した野菜を使った料理や、清潔な宿泊所を提供するためのノウハウを指導するなど、村が副収入を得て発展するためのサポートをしているそうです。
旅行者にとっても、農村での生活を体験したり、新鮮で安全な食事が食べられるという仕組みで、とてもユニークな取り組みだと思いました。
ひと通り農場の視察と説明を聞いた後、ミーティングではタイから来たソムヨットさんがスライドを 見せながら、これから導入する精米機の活用法や、精米後にできる籾殻や米ぬかを使った養豚、養鶏、 魚の養殖や果樹の育て方などを説明、皆で活発な意見が交わされていました。
久ぶりに顔を合わせ、一緒に食事や寝泊まりをした米銀行のメンバー達は、とても楽しそうにしており、やはり年に一度はこうして顔を合わせ、お互いの状況や意見交換などして交流するのは良い刺激 になると思いました。
彼らは日常ほとんど自分の村から出たことがなく、シェムリアップに来るのも初めてとのこと、一度 はアンコールワットを見てみたいとの要望が出ました。 そこで急遽アンコールワット見学を予定に付け加え、おかげでバッタンバン到着がかなり遅くなって しまいましたが、皆さん大満足のようでした。
翌日はいよいよ精米機を設置すべく、プレイプリエル村に向かいました。
途中仏陀の池2を見学したり、雨季の余韻が残るぬかるみの道でバスが足を取られ、何度もバスを降りて皆で歩いたり、すったもんだしながらも何とか到着。
最大の問題は電力をどう確保するかということでしたが、皆で知恵を出し合って解決していこうと話しました。
今年の米の収穫はまだこれから、12 月~2 月の間に行われるとのことでしたが、 今年は雨季に雨の量が少なく、収量はあまり多くなさそうとのこと。 雨だのみの稲作だけに、やはり米だけでなく、野菜栽培や養豚、養鶏など、他にも収入を得る方法を探る必要性を痛感させられました。
今回の農場視察と精米機導入を契機に、村人たちが奮起して取り組んでくれることを願うばかりです。
精米機は今回このプレイプリエル村とコンポンスプーの村に各一台、試験的に導入し、その評価を確 認しながら、来年はもう2カ村にと拡大していく予定です。
精米機の設置と説明をした後、今回新たに作った衛生管理と応急処置のポスターやリーフレット、歯ブラシ、石鹸なども渡し、同行してくれたスナダイクメールのスレイマオさんが概要を説明、皆さんで記念写真を撮ってお別れしました。
※この農業支援プロジェクトの活動は、2004年から施行された(社)四方僧伽による米銀行プロジェクトを引き継ぎ、日蓮宗様からの補助金により実施されています。本年も継続してプロジェクトが遂行できたことに感謝いたします。日蓮宗への活動報告レポートはこちらから