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タケオ州スロック・プレイカヴァ地区チュンポプロック村訪問

基本情報/人口:189家族904人

     うち子供の数460人(男子229人、女子231人) 雨期米105ha. があるが、水不足になる時がある。 水は井戸が28基と池が一つあり、井戸にはポンプが必要だがお金がなくて買えない。 村人の85%は農業を営む 米の他に自分たちで食べる用にすいかやきゅうりなどの野菜を栽培 豚や魚の養殖を始めたが、まだ数は少ない。現在飼育法を勉強中とのこと。

他の15%...建築業 繊維業(クローマー、ルンギなどを制作)58家族

プノンペンの工場で働く

プノンペンから南東へ車で 2 時間。後半は舗装されていない路面を走り、村の門をくぐってし ばらく行くと、すでに隊列を組んだ可愛い子供達が目に飛び込んできた。そして、色とりどり の布や風船が目に入り、これはただごとではない気配に圧倒されたまま、人々の歓喜の中に足 を踏み入れた。 人々のこぼれんばかりの温かい笑顔とは裏腹に事態を掌握出来ていない心が激しく動揺して いた。

実はこの日、新しくできた校舎の落成式典だったのだ。 今回この村を紹介していただいたスレーマオさんが、私達の訪問に合わせて式典日時を調整し てもらったのだった。 校舎といっても、竹を割り、蔓で結んでつくられた質素なもの。備品は黒板と古ぼけた小さな 机と椅子。その中に小学生 140 人がぎゅっと詰め込まれたエネルギッシュな空間が私達を歓迎 してくれていた。

プノンペンのマーケットで大量に仕入れた鉛筆とノート、そして仏教絵本を一人ひとり生徒さ んに渡して回った。 するといきなり村を支援しているスレーマオさんの同僚の方が、仏教絵本を片手に授業が始ま った。目を輝かせながら聞き入る子供達の瞳の輝きにアドレナ リンとともに歓喜が体中を駆け巡っていった。

この校舎は、村長さんの自宅の隣に建てられていた。お世辞にも立派とは呼べない校舎の成り 立ちを聞いて、心が震えた。 この校舎は村人達による優しさの具現化だったのだ。子供達のために親たちが竹を切り、材料 を持ち寄り、少しづつ時間をかけて作り上げていったもの。 連帯感の薄いカンボジアの村において、この事は大変珍しい事だと言わざる得ない。しかも、 ここでは高校に通う女性徒たちが無償ボランティアで子供達に勉強を教えている。シャイで可 愛らしい女性徒たちの頑張りに嬉しくなる。 愛センターのレポートでフリースクールの説明があるので、ここでは割愛させて頂くが、公立 の学校では先生が充分に教えなくて、塾をやることでなんとか生計を立てているという悲しい 現実。貧困ゆえの負の連鎖に胸が締め付けせれる思いだ。 学校できちんとした授業が行われていれば、わざわざお金と手間のかかるフリースクールを運 営しなくて済むのに・・・。

簡単な仏教絵本の授業の後は小さな女の子たちが綺麗な民族衣装に身を包み、可愛らしい踊り をみせてくれた。 その後は心尽くしの美味しい料理のおもてなしに私たちメンバーもついつい食べ過ぎてしま い、お腹がパンパンに膨れ上がった。

午後からはスレーマオさんの同僚の方がたった一人毎週末に村に来て何ヶ月もかけてスコッ プだけで堀った池を案内していただいた。 あまりの池の大きさと彼の信念といったものに絶句してしまった。 池にはたくさんの魚を養殖していて、出荷をめざして奮闘中のこと。 最初から無理とか、どうせできっこないという負のイメージが蔓延しているカンボジアの村々。 そんな中、やれば出来るし、無いものは自分達でつくればいいんだと、そんな気持ちを持って 欲しくて彼は一人で掘りあげたのだ。

さらに案内された場所はオーガニック農園の試験プラントだった。 スレーマオさんが支援者を説得し続けて、ようやく作物が実り始めていた。 このプランが成功したら、他の村人にも作付けしてもらい村の産業にと発展させたいと考えい るそうだ。同時に流通、売り込みと彼女のビジョンは広がっている。

そんな地道な努力によって、少しづつだが、村の人々の意識が変化してきている。ガイドの方 がこんな村見たことないですと語ってくれたように、本当の自立を目指して連帯感と助け合い の心が根付いているように思う。

大きな要因の一つが村長さんの仏教に根ざした慈悲の精神だとスレーマオさんは語る。もとも と敬虔な仏教徒の国だが、何故か慈悲の心が希薄な中にあってこの村の村長は積極的に村の発展に尽力されているそうだ。 そして、なにより何年もの間、毎週末 2 時間かけて村に来て、保育園の立ち上げから、オーガ ニック農園、フリースクールの運営等、彼女達の意識の高さと実践力に、ただただ脱帽だった。

この村には、確実にカンボジアの未来があると思う。それは、新しい命の芽吹きにも似た真の 自立精神の高まりにほかならない。 私たち外国のボランティアが本当に目指さなくてはいけないのは、彼らの自立心を呼び覚まし て差し上げることなのだから。

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