王立プノンペン大学外国語学科(IFL)日本語学科訪問 2024年12月6日
- lensman3
- 2月19日
- 読了時間: 3分
更新日:4 日前
毎年訪れて交流授業を行なっているプノンペン大学IFL日本語学科、今回は3年生の15名の学生が参加してくれました。
通訳は今回もヘインさん、そして私たちの長年の友人でありカンボジア難民として日本に来たMさんとそのお子さんたちが参加してくれました。
今回の授業のテーマはズバリ「平和について」。
ふだん何気なく考えている平和というもの、誰もが平和を願っているはずなのに今もなお世界中で起こり続けている戦争や侵略、テロなど。そんな現実を目の当たりにして心を痛めたり何か助けられる方法はないかと考えたりするけれど、なぜ戦争が起こるのか、それに対して私たちにできることはないのか?ということを考えてもらいたいと思い企画しました。
まず設定として学生さんに架空の国の大統領になってもらい、「最悪の平和」か「まだマシな戦争」国としてどちらの政策を取るべきか考えてもらい、選んだ答えのグループ別に別れその答えを選んだ理由や考えを発表・ブレストし合うという実験を行いました。
その中で平和というものを実際にどう捉えているのか、自分の心の中をのぞいて明確化し、自分ごととして考えてもらおうという試みです。
設定が分かりにくいかなという不安はありましたが、学生さんは真剣に耳を傾け考えてくれ、それぞれの選んだ答えの立場からいろいろな意見が出て活発な議論ができました。
なかでも興味深かったのは「最悪の平和」を選んだ学生が言った言葉で、戦争をすればそれだけでは終わらず双方の国が打撃を受け国が破壊されるし軍事費がかかるので経済も悪化する、戦争をして良いことは何もない。戦争しなくても国の経済を良くする方法はあるはずだから、国の中をよく見て良くなる工夫を考えるべきではないか?という意見が出、その視点はとても大事でありこれからの国を背負っていく若い人からこのような発言が出たことに、勇気付けられる気がしました。
その後仏教の立場から考える平和や人の争い、恨みの連鎖などについて説明し、突き詰めれば人と人との間の関係性やお互いの理解不足がやがて国という単位の争いに発展してしまうということ、一見関係ないことのように思えるが、普段私たち一人一人が自分の身の回りの相手を思いやり理解し合おうとする心を持つことがやがて平和に繋がっていくのだというお話をしました。
また在日カンボジア人のMさんと息子さんたちにも日本での体験をシェアしてもらったり、日本の激辛焼きそばを試食してもらったりと楽しい時間を過ごして授業を終えました。
忙しい中いつも通訳を務めてくれるヘインさん、年一回の訪問を快く受け入れてくださる学科長のニピセット先生、そして今回参加してくれ学生との時間を共有してくれたMさんと息子さん娘さん、ありがとうございました。
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